チーズフォンデュの失敗から成功への道 & アメリカで売られているスイスチーズの話

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アメリカのSWISS CHEESEはスイスチーズじゃない!?

アメリカで売られているチーズのパッケージで「SWISS CHEESE」と書かれたものをよく見ますが、正式な名称ではないってご存じですか?SWISS CHEESEは北米で大量生産・販売されているチーズの一般名称です。

Emmenthal(エメンタールチーズ)と呼ばれるスイスの有名なチーズに似たものですが、味は異なると言います。それは、本来なら原産地統制呼称(POD)(フランス語で「Appellation d’origine protégée」から AOPとも言われている)に従い、決められた材料・地域で製造されたものでなければならないためです。

アメリカでチーズを販売する際には守らなくてはいけない決まりがあるため、どうしても味が変わってしまうことになります。その決まりとは、

1、低温殺菌された牛乳を使う

2、低温殺菌されていない牛乳を使用したチーズは少なくとも60日間熟成させなくてはならない

いずれかを守ることです。この決まりに従うと、本場スイスで生産されたチーズとは味が異なるものになるようです。

米国農務省はスイスチーズとエメンタールチーズという用語を同じ意味で使用しており、アメリカでSWISS CHEESEとして売られているものはスイススタイルの「アメリカンスイスチーズ」と考えられ、本場のものよりかなりマイルドに仕上げ、そして皮もなく、主にサンドイッチに挟んで食べることが多いようです。

カナダやオーストラリア、ニュージーランドといった英語圏では、アメリカと同様にSWISS CHEESEといえば穴の開いたエメンタールチーズと考えられる可能性が高いですが、ヨーロッパやイギリスではきちんとエメンタールチーズと呼ぶことが推奨されています!

 

アメリカでエメンタールチーズが購入できる場所は?

アメリカで真のチーズ(エメンタールチーズなど)を購入するには、チーズ専門店や、品ぞろえの豊富なチーズカウンターのある食料品店で購入することが可能です。真のチーズである証として、POD(AOP)マークが貼られているので要チェックです。

Murray’s Cheeseはアメリカ・ニューヨークにあるチーズ専門店ですが、アメリカのスーパーであるKroger(またはその系列店)の一角にチーズ売り場を持っていることがあるので、そこでも買うことができます。(全てのKrogerにあるわけではありません)

 

たくさんのチーズをカットして売っています。ポップがあるのでどこのチーズがなど情報をすぐに確認することができます。

 

スイスチーズ 有名品種2種

<Emmenthal(エメンタールチーズ)>

・セミハードチーズ

・黄色、溶やすい、穴がある

Emmenthal(エメンタールチーズ)はスイスで最も古く、最も権威のあるチーズで、ベルン地方の西中央部にあるエメンタール周辺で生まれたことが名前の由来です。

 

<Gruyère(グリュイエールチーズ)>

・淡い黄色
・穴は小さめ

優れた溶解性を活かしたチーズフォンデュはもちろん、クロックムッシュを作るのに使用されるチーズとして有名です。

参考文献:What Is Swiss Cheese? (thespruceeats.com)

 

それと比べてアメリカ版スイスチーズは…?

<アメリカンスイスチーズ>

・青白色、穴がある

 

チーズフォンデュが食べたい!

スイスチーズといえばチーズフォンデュの材料に使われるチーズとして有名です。アメリカではいろいろなチーズを購入することができるので、ブロックのチーズからチーズフォンデュを作ってみることにしました。

どのチーズを使うのか

私のイメージではチーズフォンデュは、何種類かのチーズをブレンドして作るということ。そのためチーズフォンデュ向きのチーズを探すことにしました。サイトによって色んなチーズを推奨されていました。お好みのチーズでいいかと思いますが、2つのサイトで紹介されているおすすめチーズはこちらです。

①Gruyere: Emmental : Comte:Gouda(トリュフ入り)

=グリュイエール:エメンタール:コンテ:ゴーダ = 1:1:1:0.5

参考サイト:4種類のチーズが決め手。自宅で楽しむ「究極のチーズフォンデュ」レシピ

②Gruyere: Gouda :Fontina=グリュイエール:ゴーダ:フォンティーナ = 1:1:1

参考サイト:The Best Cheese For Fondue

スイスのチーズは使いたいと思っていたので、これらを参考に私が使用するチーズは「グリュイエール、エメンタール、ゴーダ」に決めました。

早速チーズ探しです。

チーズ探し
グリュイエール → コンテに変更

グリュイエールは探すのが大変で、なかなかお店で見つけることができませんでした。

そこで思い出したのがコンテチーズです。先ほど紹介したサイトでおすすめチーズの配合の一つに入っていたチーズで、その時に調べた情報は以下のような感じでした。

 

Comté コンテチーズはフランス産のチーズで、グリュイエールチーズに似てると言われており、やや甘味のあるチーズで、オニオンスープやクロックムッシュの使用に適したチーズです。溶けやすいので焼いたりする場合の代替品になります。

 

そのため、トレジョに行ったときにチェックした11.99ドル/lbのコンテチーズを使うことにしました。

 

エメンタール → ヤールスバーグチーズ に変更

エメンタールはクローガーのチーズ売り場(Murray’s )にも置いてありますが、17.99ドル/lbです。一時保留…。

チーズならコストコもあるなと思って軽い気持ちでいくと、そこにはノルウェー産のJarlsberg Cheese ヤールスバーグチーズというのがありました。

Jarlsberg Cheese ヤールスバーグチーズはノルウェー産のチーズで、Emmental を研究・改良して作ったチーズと言われています。グリュイエールチーズの代わりにもなるくらい最高のチーズの一つで、ベイクドポテトなど料理の上で溶かすのに適したチーズです。

さすがコストコ!値段は良心的で、5.55ドル/lbでした。エメンタールの倍半分くらいの値段です。エメンタールはやめて、ヤールスバーグチーズにすることにしました。

ゴーダ

ゴーダはアメリカではよく売られているチーズですが、今回はPODマークがついているもの(アメリカで作られていないもの)を使用することに決めたので、トレダージョーズで購入することにしました。

 

ちなみに、フォンティーナチーズとは

Fontina フォンティーナチーズはイタリア産のチーズで、北イタリアのヴァッレ・ダオスタ地方で作られています。山のチーズでフルーティーなのが特徴です。

牛乳・バター・卵黄を溶かしたイタリア版チーズフォンデュを作る際に使われるとのことです。

 

結果:使用するチーズ

コンテ・ヤールスバーグ・ゴーダの3種類です。

チーズフォンデュ作り
一回目は失敗

いよいよチーズフォンデュをつくります。作り方はよく見かける一般的な作り方を参考にしました。

材料:チーズ 500g、コーンスターチ 大さじ1、 にんにく 1個、 辛口白ワイン 1カップ

作り方:①チーズはすりおろす。 ②コンスターチをまぶす ③使用する鍋の底に、半分に切ったニンニクを押し付け、香りを移す ④鍋に辛口のワインを入れ弱火にかけ、沸騰し始めたらチーズを少し入れ完全に溶けたらまた少し入れるというのを繰り返す

そして作ってみると、においがよくありません。アルコールがうまく飛んでないのか、アルコール臭いのか。ワインのせい…!?なんて思ったり。

写真ではわかりづらいと思いますが、うまく溶けず、全然とろ~りと伸びません。食べてる時もカセットコンロで弱火にかけていましたが、途中からゴムのように固いチーズになってしまいました。

結果、全然美味しくないチーズフォンデュになってしまいました。

 

でも美味しくてビックリしたものがありました。

 

チーズフォンデュは失敗したけど、新たな美味しいものを発見!

その美味しかったものとは、トレジョのゴーダチーズと、バケッド!

ゴーダチーズはとても濃厚で、味が濃い!アメリカで作られているゴーダチーズとは全く違いました。そしてトレジョのバゲットはモチモチしていて、とっても美味しかったです。

 

再挑戦のための準備

チーズフォンデュを楽しみに、そしてワクワクしていた私は、とろ~りと伸びないチーズにかなりガッカリしました。

そこでチーズも残っているので再挑戦すべく、何がいけなかったのか考えることに。

といっても、考えても何がいけないのかはよくわからないので、もう一回作り方を調べなおすことにしました。

そこで出会った一つのサイト。科学的に説明したチーズフォンデュの作り方は説得力高し!そこで紹介してある作り方を真似することにしました。

前回と違うところ

①チーズにはタピオカ粉(キャッサバ粉)をまぶす。(前回はコーンスターチ)

②ワインは沸騰させてしばらく置いて粗熱をとる。(前回は沸騰し始めたらすぐにチーズを入れる)

③粗熱を取ってから再度弱火にかけ、重曹とクエン酸をそれぞれ二つまみ入れる。

④そして、一度に全量のチーズを加え溶かす。(前回は少しずつ入れて溶かす)

以上4点が大きく異なるところです。

パンに乗せてトーストしたチーズとチーズフォンデュのチーズは溶け方が違うように、沸騰させたワインに重曹とクエン酸を入れるというのが、成分上ポイントのようです。

目からうろこの解説はこちら

再挑戦 → そして成功

上記のポイントを参考に再挑戦です。でも食用のクエン酸をなかなか見つけられず…。絶対必要っぽいけど、なくても大丈夫かな~と不安になりながらも、重曹とタピオカ粉を購入しました。

準備として、200gのチーズを細かく包丁で切りました。(今回はコンテ、ヤールスバーグチーズのみ使用)

ワインを沸騰させた直後は前回と同じようなイヤなにおいがし始めました。やっぱりこのワインダメだったかな…と思いながら沸騰させ(前回食べたときアルコールが残っているように感じたので、少し煮立たせました)火を止めてしばらく置いておきました。するとあのキツイ嫌な臭いもなくなったのです!

冷ましている間にチーズにタピオカ粉を大さじ2まぶします。

そして粗熱がとれたワインを再度弱火にかけ、沸々してきたら重曹を2つまみ。シュワーと炭酸のような泡が出て、でんぷん粉をまぶしたチーズを一気に加えます。

緊張…。

ゴムベラできちんと混ぜ…少しずつ溶けてき始めましたが、その間も緊張…。

前とは違ってきちんとキレイに溶けました。すごい伸びる!

感動!成功です!子供はもちろん、私もすっごいテンション高めで食べました♪

<マメ情報>

チーズフォンデュをするときは刺す部分が2か所になっているものが安定して食べ物を刺すことができますよ!

 

感想

みんなでワイワイしながら食べるチーズフォンデュは楽しいですが、今回は一回目が失敗したからなおさら成功した時は嬉しかったです。

材料も工程も複雑ではないのに、うまく作るのは難しいなと思ったチーズフォンデュ。やっぱり、タピオカ粉と重曹(クエン酸もあったほうがいいんだろうけど)は絶対必須!そしてワインは沸騰させて一度粗熱をとる。

ポイントを押さえれば、上手に作ることができるんですね!

 

簡単に食べたい方は、やっぱりパウチ商品を利用するのがベスト!