アメリカで買える豆缶を比べたみた

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趣味

英語だとなじみのない名前の豆も多いので、いつも豆の缶詰の写真と名前を見て、ひよこ豆とレッドキドニービーンズ、あとダイズみたいなカネリーニ豆(Cannellini Beans)を買っていました。でもカネリーニ豆と思って買ったらグレートノーザンビーンズ(Great Northern Beans)と書いていたり…。

乾燥豆だともっと種類があるように思えます。

そのため、ここで一気に豆を整理してみよう!と思い、色んな豆缶を開けて比べてみることにしました。

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マメ科は大きく分けると8種類

豆を分類すると、マメ科○○属○○種となり、この○○種の中に主な銘柄が含まれるという風になります。

日本のあんことしてなじみのある「小豆、大納言」は「ササゲ属アズキ種」

白あんの原料である「手亡豆(てぼうまめ)」は「インゲンマメ属インゲンマメ種」

大豆は「ダイズ属ダイス種」

日本豆類協会のHPを見たところ、よく食べられているのはこのインゲンマメ種だということがわかりました。この分類を見るだけでも、かなり豆の分類に詳しくなれた気がします。

参考:公益財団法人 日本豆類協会 豆の分類

 

アメリカのスーパーでよく見かける豆を分類した

今回購入したのは7種類の豆です。プラスでお店にあった乾燥豆の写真だけ撮ったものを上記の豆の分類表から分類してみると以下のような感じになりました。

 

豆の名前豆の名前
インゲンマメ属インゲンマメ種(白色系)

カネリーニ

グレートノーザン

ネイビー

 

Cannellini

Great Northern

Navy

インゲンマメ属インゲンマメ種(着色系・単色)

レッドキドニー

ブラックタートル

 

Red Kidney

Black turtle (Black Beansともいう)

インゲンマメ属インゲンマメ種(着色系・斑紋入り・普斑入り)

ピント

クランベリー

 

Pinto

Cranberry

インゲンマメ属ライマメ種バター

ライマ

Butter

Lima

ソラマメ属ソラマメ種チック(ガルバンゾー)ひよこ豆Chick (Garbanzoともいう)
ササゲ属ササゲ種ブラックアイBlack-Eye

豆を観察

インゲンマメ属 インゲンマメ種 (白色系)

Cannellini Beans

イタリアの品種
カネリーニ豆、ホワイトキドニー豆とも呼ばれる(北米ではcranberry beansとも呼ばれる。)
白いんげん豆はトスカーナ料理でよく使われている豆で、pasta e fagioli:うずら豆のパスタエファジョーリ トスカーナ風(いんげん豆の煮込みにショートパスタを入れたミネストラ)、 ribollita (リボッリータ): 野菜、硬くなったパンを利用して作る豆の入ったミネストローネはイタリアの伝統料理。
fagioliは、イタリア語で豆。豆全般を指す。
淡褐色で白い豆に茶色の虹彩があり、見た目もきれいでかわいい。cranberry beansに似てる。
イタリアでより薄い皮になるように育種されたクランベリービーンの変種にborlotti beansという豆もあり、イタリアとメキシコで特に人気があり。

<缶詰の豆はどんな感じ?>

食べた時皮をしっかり感じる。
しっかりした食感がある。
ホクホク、サクサクした感じ
煮崩れしなさそう

Great Northern Beans

グレートノーザンビーンズは、軽い食感と調味料を吸収しやすいので、スープ、シチュー、ピューレなど最適。

<缶詰の豆はどんな感じ?>

 

カネリーニより小さく明るい色。
汁にとろみがある
薄皮はあるが、豆はしっとりしている。

Navy beans

19世紀に海軍の主食として食べられるようになり、ここから名前がついた。
豆の中で小さい部類。
煮ると柔らかくなる。
Boston beans や pea beansとも言われる。

インゲンマメ属 インゲンマメ種(着色系・単色)

Dark Red Kidney Beans (Habichuelas Coloradas)

 

 

キドニービーンズは色も鮮やかで煮崩れしにくく、金時ほど風味も強くないので、一緒に混ぜる具材の持ち味をこわしません。

種類
•Red kidney bean (kidney beanとして知られている。インドでは rajma、 パキスタンではsurkh (red) lobia と呼ばれている。)
•Light speckled kidney bean 、Red speckled kidney bean (長細い)
•White kidney bean(白色系のcannelliniと同じ)

<缶詰の豆はどんな感じ?>

 

 

 

 

 

Black Beans (Frijoles Negros) 黒インゲン豆

 
ラテンアメリカでよく使われる定番食材
黒色の楕円形で、小さな白い斑点
Black turtle beansとも呼ばれる

<缶詰の豆はどんな感じ?>

 

名の通り黒い豆です。しっかりした歯ごたえ

コスタリカ料理 Gallo Pinto

ブラックビーンズは、コスタリカの定番の朝ごはん Gallo Pinto(ガジョピント)に使われている豆でもあります。コスタリカに旅行に行ったとき、ホテルの朝ごはんには必ずこのガジョピントがありました。

pintoと書いてあるのでPinto Beansかとおもいきやブラックビーンズでした。別の地域ではpinto Beansが使われているのかもしれません。

ホテルの朝食メニューには、ガジョピントの他、ソテーしたプランテン(バナナと思っていましたが多分プランテン)、スクランブルエッグ、お肉などを煮込んだ料理(これは日替わり)、パンケーキ、フルーツといった感じでした。写真の手前にある豆ごはんがガジョピントです。お赤飯とは違いしっかりした味付けです。日本のお米とは異なりパラパラした米なのでチャーハンみたいな感じで、すごく美味しかったです。長男もドはまりしました。

朝はこういったように米に豆を混ぜていますが、お昼の定番メニューのCasado(カサド)はご飯と豆は別に出てきます。Casadoは炒めた米ごはん、サラダ(または煮た野菜)、炒めたプランテン、塩煮の豆、そして動物性たんぱく(ビーフ、ポーク、チキン、ベジタリアンメニュー)の中から好きなものを選ぶスタイルの定食です。

私が頼んだお店では、プランテンではなくパスタでした。コスタリカ出身のガイドさん2人とそれぞれ違う日に昼食を食べる機会がありましたが、2人ともこのCasadoを注文していました。ガイドさんに食べ方を聞くと米や豆、野菜なども全部混ぜながら食べるということでした。Casadoはスペイン語で「結婚」という意味があるようです。ばらばらなものが一緒になる。結婚みたいな感じですかね。

コスタリカではこのFrijoles Negros(黒いんげん豆、ブラックビーンズ)のほかに、Frijoles Rojos(赤インゲンマメ、おそらく別名キドニー)が豆のほぼ大半を占めていました。(他にはひよこ豆も少しあったかな)

この豆であんこも作れるとか…

インゲンマメ属 インゲンマメ種 (着色系・斑紋入り・普斑入り)

Pinto Beans (Frijoles pintos)

薄茶の斑点模様が特徴
調理すると色が均一になり、淡い黄褐色またはベージュ色になる。
南米ではPoroto frutillaと呼ばれることが多くstrawberry beabsを意味する。
メキシコ北部、アメリカ南西部で人気。
トスターダやブリトー、ブラジル料理のフェイジョン(Feijao a Portuguesa)によく使われる。
メキシコではFrijoles pintos(フリホーレス ピント)と呼ばれる。
潰してスパイシーなペーストに仕上げたりして使われます。煮るとクリーミーになる。

<缶詰の豆はどんな感じ?>

汁が黄褐色
薄皮はしっかりしてるけど、なかは柔らかくて甘みがある。

 

Cranberry bean

クランベリービーン
淡いベージュピンク色で全体に赤茶色の斑点がある、カラフルで可愛らしい豆
調理すると色は薄茶色になるがきれい。
イタリアとポルトガルで人気
クリーミーな食感でスープやブラジル料理のフェイジョン(Feijao a Portuguesa)に使われる。
borlotti beansはイタリアでより薄い皮になるように育種されたクランベリービーンの変種。
ヨーロッパではborlotti beansと呼ばれることが多い。

 

インゲンマメ属 ライマメ種

Butter Beans

アメリカ南部とイギリスはbutter beansと呼ぶことが多いが、アメリカの他の地域では豆の原産地がペルーのリマであることからLima Beansと呼ぶことが多い。
アオイマメ、リママメ、リマビーン、バタービーンとも呼ばれる
白豆の中で最大(その中でも大きなものは butter bean。小さいものをLima Beansと呼ぶこともある)
クリーミーでこくがある。
マイルドでバターのような風味と柔らかな食感があり、長時間調理するとマッシュ状になる
白あんの代わり、カレーやシチューにも
スープや単体でも美味しく食べることができる

<缶詰の豆はどんな感じ?>

そら豆みたい
平たい
大きい
柔らかい
薄皮がある。
ナイフで断面を壊さず切ろうとすると中身が柔らかいから、薄皮が邪魔する。中身だけ出せる。

Lima Beans ( Habas  Pequeñas)

ソラマメ属 ソラマメ種

Garbanzo Beans / Chick Peas (Chana)

フムスの材料

ササゲ属 ササゲ種

Black-Eyed Peans (Frijol Carita / Lobia )

 

 

アメリカ南部でポピュラー

インゲンマメ属4種を大きさなどを比較

4種類の豆缶を比較

 

 

 

ライマメ種インゲンマメ種(白色系)インゲンマメ種(単色系)インゲンマメ種(白色系)
種類ButterGreat NothernPintoCannellini
断面
サイズ 大きい順 1 3 4 2
柔らかさ 柔らかい順 1 2
カルシウム40mg60mg60mg50mg
鉄分1.5mg2.0mg1.9mg3.0mg
カリウム270mg480mg360mg510mg
栄養成分は1/2cup(130g)あたり
サイズ大 large butter beans>cannelloni beans >great northern beans >pinto beans 小
カットした豆を箸で押した時の柔らかさ
柔らかい large butter beans >great northern beans>pinto beans> cannelloni beans 固い

ポタージュにあう豆を探す

豆のポタージュにあう豆を探したいと思います。
検証した豆
①【ソラマメ種】  チック or ガルバンゾー(ひよこ豆)(Chick or Garbanzo)
②【インゲンマメ種】グレートノーザン(Great Nothern)
③【インゲンマメ種】ピント(Pinto)
④【インゲンマメ種】カネリーニ(Cannellini)
先ほど大きさなどを検証したバタービーンズは使用していません。
まず同時に①と②の豆を使ってポタージュを作りました。
豆に加えてジャガイモも少し入れました。
<材料>薄皮を除いた豆190g、レンジで2分加熱したジャガイモ95g、水200g、ブレンダーした後、牛乳200㏄、ガラスープ小さじ1を加える
豆の比較(各左:ひよこ豆、右:グレートノーザンビーンズ)

 

ジャガイモと豆を煮てブレンダーにかける
①ひよこ豆②グレートノーザンビーンズ

 

ブレンダーした後牛乳を加えてできたポタージュの比較(各々の写真で、左:ひよこ豆、右:グレートノーザンビーンズ)

 

<感想>比べると色が全く違うのと、ひよこ豆の方しっかりした味です。グレートノーザンビーンズは優しい味です。豆の存在感はありません。

次はピントビーンズとカネリーニビーンズです。
先ほどと同様、豆とジャガイモを使用しました。ブレンダーにかけた後の写真で、食べるときに牛乳を入れて温めて食べました。
③ピントビーンズ④カネリーニビーンズ
<感想>
③ピントビーンズはあんこにミルクを溶かしたような感じです。味もポタージュスープには合いません。潰さず煮込むミネストローネ向きです。
④カネリーニビーンズは白くてきれいなポタージュになります。豆も味も感じれて美味しいです。
<結果>
ポタージュに合う順(我が家で判定!)
1、①ひよこ豆
2、④カネリーニビーンズ
3、②グレートノーザンビーンズ
4、③ピントビーンズ
豆の薄皮を取るのはひよこ豆が断然楽です!

最後に

色んな具材を入れれば栄養満点のスープ。食卓に上がれば、少し華やかにもなります。スープジャーに入れて持っていけば、お弁当にも温かいスープが食べられ、ご飯の満足度が格段に上がります。
体にもいい豆をたくさん取り入れてご飯を作っていきたいです。