最近旦那さんが高血圧の可能性を指摘され、今まで以上に塩分量を気にするようになりました。
高血圧は脳梗塞、動脈硬化、心筋梗塞など、さまざまな病気を引き起こす原因になる病気です。普段、自分で血圧を測る人はなかなかおらず、何かのきっかけで高血圧を指摘されて測り始まる人も多いかと思います。
私の父親は毎日血圧を測り、母親は父親のために塩分量に気をつけた料理を作っていました。そのため私も自分で料理する時、濃い味にならないように気をつけていました。
○レモン、ショウガ、ニンニク、かつお節などを使って、醤油などの調味料を減らす。
○ラーメンを作る時、スープは麺をゆでるお湯とは別に準備する。スープは2人で一袋。汁は飲まない。
(ゆで汁を少し口に含んだことがありますが、かなり塩辛いですよ!)
○ドレッシングはなるべく使わない
しかし気にしているといっても自分の感覚で減らしているだけなので、スープ類など家で作るものは本当に薄味にできているのかは測ることができませんでした。
既製品は成分表示をみれば食塩相当量を知ることができます。アメリカの成分表示ではSodium表示なので換算する必要があります。
「ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)」
目安としては「sodium 400mg=食塩相当量 1.02g→1.0g」なります。
原因について考えてみた
最近食べていた商品で、塩分が多い食品をリストアップしてみることにしました。
<意外に塩分が多かった商品>
●アメリカで購入するパイ生地
1/8シート(27g)でSodium130㎎=食塩相当量およそ0.33g。
明治のパイシートは1枚130gあたり食塩相当量0.6g(Pillsburyのパイ生地に合わせると、27g換算で0.124g)アメリカのパイシートは日本のより塩分が多いことがわかります。
キッシュなどおかず系のものに使ったときは気付きませんでしたが、アップルパイを作ったときパイ生地部分がしょっぱくてビックリしました。これに合わせたら、パイの中の具を更に甘くしないといけなくなって、塩分に加えて砂糖まで取りすぎてしまうところです。
●Herring(ニシンのマリネ)IKEAやLidlなど北欧やヨーロッパ系、ロシアの商品を取り扱うお店にも売っています。
マリネ液に塩分が多く、実際ニシンにどれだけの塩分が染み込んでいるかは不明
●アメリカンビスケット(焼くだけタイプ)
1ビスケットSodium460~600mg(食塩相当量1.17~1.52g。)メーカーによりSodium量は様々です。
食べたときの第一声は「塩っ辛!」でした。砂糖の量が少ないからか、塩分が際立っています。おそらくアメリカではこのビスケットにジャムや蜂蜜、メープルシロップなどをたっぷりかけて食べるのでしょう。パイ生地と同じく、塩分も糖分も取りすぎになってしまいます。
●ハム(84gでSodium950mg)
食塩相当量2.413g
そのままハムステーキとして食べましたが、Sodium量を確認していなかったので失敗しました。かなり塩辛くて食べるのがしんどかったです。茹でてから食べるべきだったと後悔しました。
●日本のインスタント味噌汁 減塩タイプ
一食当たり1.3g
一日のナトリウム目標量(食塩相当量:g/日)について知る
日本人がよく使う味噌、醤油などの調味料にも塩分は意外に多く入っており、WHOが提案する目標量(5g/日)を下回ることは難しいとされています。厚生労働省では「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を取りまとめ、様々なものについて食事摂取基準を提案しています。その中にもちろんナトリウムも含まれています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 より抜粋
腎臓の機能が正常であれば、腎臓におけるナトリウムの再吸収機能によりナトリウム平衡は維持され、ナトリウム欠乏となることはない。ナトリウム摂取量を 0(ゼロ)にした場合の、尿、便、皮膚、その他から排泄されるナトリウムの総和が不可避損失量であり、摂取されたナトリウムはその大部分が小腸から吸収されるので、不可避損失量を補うと必要量が満たされると考えられてきた。
座位で発汗を伴わない仕事に従事している成人のナトリウム不可避損失量、アメリカ・イギリスの食事摂取基準を参考にしても、成人のナトリウム不可避損失量は500 mg/日以下で、個人間変動(変動係数 10%)を考慮に入れても約 600 mg/日(食塩相当量1.5 g/日)である。この考え方を根拠に 600 mg/日を成人における男女共通の推定平均必要量とした。しかし、実際には、通常の食事では日本人の食塩摂取量が 1.5 g/日を下回ることはない。
一日のナトリウム目標量(食塩相当量:g/日)の提案
(A)…2012 年の WHO のガイドライン 3)が推奨している摂取量(この値未満)(小児(1〜17 歳)は参照体重を用いて外挿した。)
(B)…平成 28 年国民健康・栄養調査における摂取量の中央値
この(A)(B)二つの中間値を丸めた数字を目標値としています。
【参考】30~49歳…男性7.5g、女性6.5g
参考資料:日本人の食事摂取基準(2020年版)
塩分が多いと感じたものを、一日の食事で取ったとき
先ほど紹介した、塩分が多かったものをメニューに取り入れて食事をしたと想定した時、どのくらいの食塩相当量になるでしょうか。
朝…ビスケット2つ、コーヒー
昼…ご飯、鮭と野菜のセイロ蒸し、インスタント味噌汁
夜…ハムステーキ(150g)、bread(2スライス)、温野菜
デザート…アップルパイ
<食塩相当量を計算>下線食品以外で塩は含まないと仮定する
2.34g(ビスケット2個…sodiumは460mgを想定)、1.3g(インスタント味噌汁)、4.30g(ハムステーキ)、0.61g(bread2スライス…Pepperidge Farmの商品を参考)0.33g(アップルパイに使用したパイシート1/8)
合計=8.89g
男性の目標値も1g強上回る結果になりましたが、ハムの量などによっては大きく数値が変動します。女性だと、ビスケットの量などで更に1g強程度は減らすことも可能です。
余談ですが、私のお気に入りのクッキーの一つにPepperidge Farmのクッキー「MILANO® COOKIES」があります。さっくりしているけどしっとりしたクッキー生地にチョコが挟んであるものです。私がよく購入するのはミルクチョコレートですが、ダークチョコレートはもちろん、ミントチョコレート、キャンディーコーン、レモンチョコレートなどアメリカらしいフレーバーもあります。アメリカのメーカーなのに(?)甘さがちょうどよく大好きなものです。
スナック系で有名なのは「Goldfish」です。Goldfishというのは金魚のことで、金魚の形をした、ベイクドチーズクラッカーです。アメリカでは、子供はもちろん大人のスナックとしても大人気商品です。
塩分計商品を決める
塩分計比較 4社
購入した商品であれば塩分量がわかりますが、自分で作ったものだと塩分量がわかりにくいです。そこで塩分計を購入を検討することにしました。
比較したのは、タニタ、アタゴ、ドリテック、A&Dの4社です。
タニタ、アタゴ
タニタ 電子塩分計 しおみスプーン SO-312 | タニタ 電子塩分計 しおみくん SO-313 | タニタ 高精度デジタル塩分計 SO-304 | アタゴ PAL-SALT | |
表示方法 | 3段階ランプ表示 | 6段階ランプ表示 | デジタル表示 | デジタル表示 |
味判定段階(うす味、ふつう味、から味 | 3つの味覚を各1段階でランプ表示 | 3つの味覚をそれぞれ2段階でランプ表示 | ー | ー |
測定できる塩分濃度範囲 | 0.6% ~ 1.2% | 0.4% ~ 1.4% | 0.0% ~ 5.0% (4.0%以上の測定精度は±1.4) (精度保証範囲は3.0%まで) | 0.00~10.0% |
計測範囲 | ー | ー | 0.1%単位 | 0.01% (0.00~2.99%) 0.1% (3.0~10.0%) |
測定可能温度(スープなどの温度) | 60℃~80℃ | 30℃ ~ 90℃ | 5 ℃ ~ 90 ℃ (温度による測定誤差の記載なし) | 5.0~100℃ |
水洗い | センサー部のみ | センサー部のみ | 丸洗いOk | 丸洗いOk |
電池 | CR2032×1個 | CR2032×1個 | 単4形アルカリ乾電池(LR03)×2本 | 単4アルカリ乾電池 2本 |
測定物 | 粘性の高い液体や、固形物の測定はできません。 | 粘性の高い液体や、固形物の測定はできません。 | 粘性の高い液体や、固形物の測定はできません。 | ・粘性の高い液体は水で10倍希釈して測定 ・固形物はみじん切りしたものを水に3分程度浸したもので測定 |
その他 | オートパワーオン | 校正(基準合わせ)機能 デモ器(5日間)無料レンタルサービス |
ドリテック、A&D
ドリテック EN-900健康塩分計 | ドリテック EN-901デジタル塩分計 | ドリテック EN-902 デジタル塩分計「ソルサーモ」 | A&D 防水型デジタル塩分計 AD-4723 | |
表示方法 | 7段階ランプ表示 | 6段階デジタル表示 | 6段階デジタル表示 | デジタル表示 |
味判定段階(うす味、ふつう味、から味 | 3つの味覚を各2段階でランプ表示(一部3段階) | 3つの味覚を各2段階でランプ表示(一部3段階) | 3つの味覚を各2段階でランプ表示 | ー |
測定できる塩分濃度範囲 | 0.3%〜1.5% | 0.3%〜1.5% | 0.3%~1.5% | 0.1%~5.0% |
計測範囲 | ー | 0.1%単位 | 0.1%単位 | 0.1%単位 |
測定可能温度(スープなどの温度) | 0℃〜50℃ | 0℃〜40℃ | 5℃~45℃ | 0℃〜90℃ (被測定物温度が0~45℃以外で塩分濃度が3.1~5.0%の場合の測定誤差は±0.6% ) |
水洗い | センサー部のみ | センサー部のみ | センサー部のみ | 丸洗いOK |
電池 | LR44×3個 | CR2032×1個 | CR2032×1個 | CR2032×1個 |
測定物 | 粘性の高い液体や、固形物の測定はできません。 | スープ類などの液体に使用。(コーンスープ、カレーOK。具材などの多いものに使用すると正しく測定できないこともある。 | スープ類などの液体に使用。 | 固形物や粉末およびカレーなどのどろどろした粘性の高い液体では測定できません。 また、油分を多く含むスープなどの液体では正しく測定できない場合があります。 |
その他 | 温度計としても使える。 |
塩分計で表示されるのは塩分濃度なので、塩分摂取量を知るために計算をする必要があります。
(飲んだ量(g)×塩分濃度(%))÷100=塩分摂取量(g )
購入時の確認ポイント
購入の際、確認すべきポイントとなる点は大きく2点と考えます。
表示方式…ランプ表示かデジタル表示か(両方もあり)
ランプ表示は塩分濃度を段階でランプで表示してくれるタイプ。ランプ表示のみの場合、正確な数値は把握できないが、視覚で塩分濃度を把握しやすい利点がある。
測定できる温度…被測定物温度の範囲
温度測定において、被測定物温度(温度を測る対象物の温度)は極めて重要で、この範囲外で温度測定を行うと測定誤差にもつながるため、正確に測定するためには、測定可能温度に従う必要があります
私の購入商品の決め手
私は上記4社の製品を比較し、最終的に「タニタ 高精度デジタル塩分計 SO-304」に決めました。
理由は
1.デジタル表示がよかった
2.測定できる温度範囲が広いほうがいい
だったからです。
<詳細理由>
1.ランプ表示は見てすぐわかるのでいいのですが、ランプ1段階に範囲があるため塩分濃度で考えると差が出てきてしまう。
2.味噌汁などスープを作ってすぐに測りたい。冷めるまで待つのが嫌。冷蔵品も測りたい。
上記2つの条件に該当するのが、「タニタ デジタル塩分計 SO-304」、「アタゴ PAL-SALT」、「A&D 防水型デジタル塩分計 AD-4723」の3つでした。
アタゴ商品は、固形物も測れるのですごく魅力的だったのですが、予算オーバー。
A&D商品は、タニタもA&D商品も塩分濃度2%までの測定精度は±0.2%で同じだったのですが、計測棒が曲がったものが届いたという口コミを見たので、やめました。
購入する時:使う状況を想像してみる
あなたが朝お味噌汁を作っているとします。具材を準備し、鍋に水を入れ具材が煮えたら、火を止め、味噌を入れます。味噌汁が完成しました。さて、あなたはいつ塩分計を使いますか?
味噌汁を作り終わった時ですか?
それとも作ってしばらくしく置いて、温め直す前ですか?
それともお椀に味噌汁をついで食卓のテーブルで食べるときに測りますか?
塩分計を使うために、冷ます、温めるというのは少し手間がかかり、測定することが面倒になってきてしまうかもしれません。しかし、測定可能温度を守ることは測定誤差を減らすために極めて重要なことです。
そのため、自分が塩分計を使うシチュエーションを想像することはとても大事だと思います。
ローフードの方は味噌を入れる温度が60℃だそうです。その方でしたら50度~測れるものより~60℃までを測れるものの方が使い勝手が良いと思います。
私はローフードのことを知らなかったのですが、ドリテックのHPやマルカワみそのHPで知りました。60℃に下がってから味噌を入れると、酵素を壊さず、又うまみ成分のたんぱく質を上手に利用することができるそうです。
○○の塩分濃度が知りたいときはコレ!
コーンスープ、パスタスープ、カレー | ドリテック EN-901デジタル塩分計 |
固形物 | アタゴ PAL-SALT |
冷蔵品 | ドリテック製品 タニタ(高精度デジタル塩分計 SO-304) アタゴ(PAL-SALT) A&D(防水型デジタル塩分計 AD-4723) |
被測定物温度が50℃前後より高いもの | タニタ製品 |
ローフード実践者・温度も測れる | ドリテック EN-902 デジタル塩分計「ソルサーモ」 |
塩抜きの効果を確認
私はソーセージを食べるとき、母親がしていたように一度湯通しをしています。これによりソーセージに入った発がん物質などの悪い成分を多少取り除くことができると、母に教わりました。これは塩分にも効果的だと思います。
お湯でゆがくことで、どれだけの減塩効果があるか調べてみました。
<味の濃さの参考>タニタの塩分計(しおみくん)では「うす味…0.4~0.7%」、「ふつう味…0.8~1.1%」、「から味…1.2~1.4%」の表示分けになっています。
ハム
2分間お湯で茹でた後、ゆで汁の塩分濃度を確認。
お皿を乗せた後ゼロリセット。ハムの重さは61.0g。
ゆで汁の重量を測り、塩分濃度を測定すると0.4%でした。少し口に入れると、スープができそうなくらいの濃さです。
塩分量を計算します。ゆで汁の重量が100gなので塩分量は100g×0.4÷100=0.4gです。栄養成分表からハム61gの食塩相当量は1.75gなので、茹でることで0.4gの塩分カットができたと考えられます。0.4gというのはわずかな量かもしれませんが、少しづつ減らすことが大切ですよね。
Herrring(ニシンのマリネ)
ハムと同様にニシンをお湯で湯がき、ゆで汁の塩分濃度を測定しました。
塩分濃度は0.1%。意外に低かったです。
ちなみにマリネ液の塩分濃度を測定すると…
少し暗くて見えにくいですが、1.1%でした。これは塩辛いはずだ。ただニシン自体は塩抜きしてもゆで汁に塩分はあまり含まれてなかったので、塩抜きする意味はないですね。それ以前に塩抜きしたらニシンが崩れてしまったので、食べるものがなくなってしまいますが…。
感想
日本食はヘルシーと言われますが、ナトリウム量からするとそれほどヘルシーなものではありません。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、従来提案していた食塩相当量を実現性のある数字に変更しつつ、減塩を呼び掛けていることに驚きました。
普段薄くスライスしたハムは湯通しをしませんが、ブロックのハムやソーセージは湯通しをするのは減塩の効果につながることがわかります。お勧めです。日本の製品はわかりませんが、アメリカで売られているハムはかなり塩辛いです。
最近出汁ブームですが、鰹節などから自分で出汁を取る人は少ないはずです。しかし市販の粉末出汁には塩が含まれていることも理解しておく必要があります。ドレッシングやスナック類は、うっかり塩分を多く取ってしまうものなので注意したいです。
減塩のためにすべて手作りにすることはなかなか難しいので、既製品も使いながらうまく塩分調整を行って、健康に気を付けていきたいです。