チェダーチーズについて知る。アメリカには色んなチェダーチーズがある。

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趣味

チェダーチーズはとてもポピュラーなチーズで、アメリカではよくハンバーガーなどに使われているチーズです。鮮やかなオレンジ色は料理に映えるので、サラダのトッピングに使われたりもしています。しかし、たまに白色のチェダーチーズがあったり、”ニューヨークスタイル”と書かれたチーズを見た時、チェダーチーズといってももしかしたら色々な種類があるのかもしれないと思いました。そこで今回はチェダーチーズについて詳しく見ていきたいと思います。

 

起源はイギリス

 

チェダーチーズは、イギリス南西部のサマセット郡にあるチェダー村を起源とし、デボン、ドーセット、サマセット、コーンウォールで作られていたセミハードチーズです。チェダー渓谷の洞窟(Cheddar Gorge)は、チーズの熟成に理想的な場所として、今でも使われています。

洞窟という涼しい場所を利用することができる地域では様々なチーズを作ることができますが、地中海や中東など暑い気候でチーズを保存する地域では塩漬けして保存し、フェタチーズはギリシャで最も有名なチーズとなっています。

イギリスでは少なくとも、ヘンリー二世が「チェダーチーズがとても好きである」と報告された1170年以降作られています。

アメリカではイギリスの植民地時代の影響から、1850年前にアメリカで生産されていたチーズのほぼ全てがチェダーチーズでした。

1800年代半ば、スイス移民はエメンタールチーズをもたらし、その後スイススタイルのチーズが増えました。ドイツ人、イタリア人もそれに続き、これらの伝統を東部と中西部に広めました。

一方南西部はヒスパニック系チーズが人気を博しました。 これらのチーズは、先住民族のものと混ざり合い、それに応じてチーズ作りを進化させたスペインの入植者から生まれました。 オアハカ(Oaxaca Cheese)、ケソブランコ(Queso blanco)、ケソチワワ(Queso Chihuahua)などのチーズは、元のヨーロッパのレシピに厳密に従うのではなく、新たなチーズとして主にメキシコで作られています。

歴史の中で人々が移動するにつれて、ヒスパニックチーズの消費量が増加し続けて、スイスチーズの消費量は減少しています。 しかし、イタリアンスタイルとチェダーチーズの人気は着実に高まっています。

アメリカで人気のチーズ

国際乳製品協会の報告によると、アメリカで人気のチーズは主に2種類です。どちらもアメリカンフードに欠かせないものです。

・イタリアンチーズ(特にモッツァレラチーズ)…アメリカ人が大好きなピザに使われる

 

・アメリカンチーズ(プロセスチーズ)、チェダーチーズを含む…ハンバーガーなどによく使われる

 

 

特別なチェダー

チェダーチーズという名前は、どこでも使用されていますが、ウェストカントリーファームハウスチェダー (West Country Farmhouse Cheddars)という名前は、EUのPDO(Protected Designation of Origin :保護原産地呼称)で認められている唯一のヨーロッパのチェダーです。

この基準を満たすには、イングランド南西部の指定された4つの郡(デボン、ドーセット、サマセット、コーンウォール:Devon, Dorset, Somerset, and Cornwall)の食材を使用して伝統的な方法でチーズを作る必要があります。

「West Country Farmhouse Cheddar」というラベルの付いたチェダーのPDO要件:

•サマセット、ドーセット、デボン、コーンウォールの各郡で飼育され搾乳された地元の牛群の牛乳を使用して作られています。 (農場から30マイル以内)これにより、チーズに特定の食感と風味が与えられます。

•円筒状又はブロック状の硬質チーズで、内部の色は均質でクリームがかった黄色

•着色料、香料、保存料は一切含まれていません。

•これらの4つの郡で伝統的な方法で作られています。 これらの方法には、手作業で作られるチーズや「チェダーリング」と呼ばれる独自のプロセスが含まれます。

•農場で作られ、熟成され、少なくとも9ヶ月間熟成されます。  プレミアムなチーズに必要な最高水準で生産されることを保証できるように、牛乳が到着してからチーズを梱包するまでfarmhouse(農場内にある家屋)で製造されたものを「Farmhouse Cheddar」と呼んでいます。

熟成するチーズ

チェダーチーズは熟成期間によって、味はマイルドからストロングまであり、熟成が長いほど味がシャープになります。

成熟期間によっての呼び方(例)
mildマイルド
mediumミディアム
strongストロング
sharpシャープ
extra sharpエキストラシャープ
matureマチュア
vintageヴィンテージ

明確な規制がないため、同じ名前でも熟成期間に差があります。

<イギリスの場合>ヴィンテージ:少なくとも15ヶ月熟成。

<アメリカ・ウィスコンシン州 「BLACK CREEK」商品のチーズを参考にした場合>

シャープ:9ヶ月、エキストラシャープ:2年

 

ワックスの有無

ワックスのあるなしは自由、ワックスの色による品質のレベルの違いはありません。

 

チェダーチーズの色について

多くのチーズと同様に、チェダーは食品着色料の使用によって色が変更されることがよくあります。 チェダーチーズをオレンジ色にするためによく使われるのが、熱帯のベニノキの木から抽出されたアナトーです。

アナトーはアメリカのアイスの着色にも使われています。

着色する理由

着色する理由として、次の理由が挙げられています。

•チーズを年間を通して一貫した色にするため。(多くの植物で見られる赤オレンジ色のベータカロチンを豊富に含む草を食べた場合、牛乳は白いままだが、その牛乳からバターやチーズを作った場合、得られる製品が黄色やオレンジ色に見えるため)

•ラベルを見なくても産地を特定してもらうため

アメリカの場合

パーモンド州、ニューイングランド州産…伝統的に着色しないため白色が多いです。

ウィスコンシン州産…トレードマークの黄色のイメージを与えるため、着色されることがよくあります。

米国のチェダーチーズの種類

・マイルド

・ミディアム

・シャープ

・ニューヨークスタイル

・コルビー/ロングホーン

・ホワイト

・バーモント

など、いくつかの種類があります。

ニューヨークスタイルのチェダーチーズは特にシャープなチェダーチーズです。通常、マイルドなチェダーチーズよりも少し柔らかいです。

コルビーチーズはもともとコルビーチェダーと呼ばれ、最もよく知られたスタイルがロングホーンと呼ばれています。「ロングホーン」という名前の由来は、オレンジ色の長い筒状をしたチーズの形状からきています。

着色されていないチェダーは、バーモント州で生産されたかどうかに関係なく、「ホワイトチェダー」または「バーモントチェダー」と呼ばれることがよくあります。

ウィスコンシン州は、米国で最も多くのチェダーチーズを生産しています。 他の生産拠点には、バーモント州ニューヨーク州北部、オレゴン州ティラムックがあります。

 

参考サイト:

Cheese of the Day: March 20 – West Country Farmhouse Cheddar, PDO

The Most Popular Cheeses In The World

 

チェダーチーズの紹介

Yancey’s Fancy ( ニューヨークチーズ)

 

 

手前:スモークチェダー

スモークの香りがとても良いチーズです。おつまみには最適。スモークシリーズでは他にゴーダチーズもありますが、ゴーダチーズのほうがまろやかで好きです。ゴーダチーズは、Costcoで購入しました。

 

奥:シャープチェダー

かなりとがった味のチェダーチーズです。カットすると壊れやすいです。ポテトサラダのトッピングにしたかったのでおろし金で削ってみましたが、壊れやすく苦労しました。でもポテトサラダに入れるなら角切りみたいにした方がよかったと思います。

 


色んなチェダーを使って違いを確認
写真1:三種類のチーズを使用(左上はアメリカン プロセスチーズ)写真2:写真1のアップ。ニューヨークチーズ(手前)は厚く切りすぎたようです。

 

写真3:トースターで焼いた後写真4:断面を見るためにカットしてみる。右上のナチュラルチーズだけチーズが伸びました。
写真5:カット断面(回転させてます)右はニューヨークチェダー、左手前はアメリカンチーズ、左奥はチェダーナチュラルチーズ。
写真6:カット後左側写真7:カット後右側

感想

ニューヨークチーズは厚く切りすぎたため、特にきつく感じました。ただパンに乗せるのは主張しすぎに思います。やっぱりトーストにするなら、ふつうのナチュラルチーズがいいかなー。

ここのメーカーには色んなフレーバーチェダーチーズがあります。HPを見ると22種類もあります。ハラペーニョペッパーチェダー、バッファローウィングチェダー、メープルチェダーなど。ワサビというものもあります。

Henning’s:Maple Bourbon Cheddar Cheese

ヘニング (ウィスコンシンチーズ)では、全米や世界のコンテストで賞を数多く受賞しています。2020年にはチポトレチェダーが世界選手権チーズコンテストで金賞を受賞しました。

 

想像していたほど香りが強くないですが、鼻に近づけると甘い香りが広がります。食べると、ほのかに甘みも感じるチーズでした。はじめは少し香りなどに物足りなさを感じましたが、食べているとこのくらいの香りがちょうどいいように思えてきました。

 


感想

チェダーチーズといっても色んなタイプがあって、そしてフレーバーもあり、個性があってとても面白いと思いました。お気に入りのタイプを探すのも楽しいかもしれません。